相続登記の申請が義務化されました
2024年4月1日から施行された「相続登記の申請義務化」について、わかりやすくご説明します。
■相続登記の申請義務化とは?
これまで、不動産の相続が発生しても「相続登記(名義変更)」をしなくても罰則がなかったため、長年放置されるケースが多く問題となっていました。
そこで、2024年4月1日から、相続による不動産の登記(名義変更)が義務化され、一定期間内に申請しないと**過料(罰金)**が科されることになりました。
■何が義務化されたの?
不動産を相続した人(相続人)は、取得を知った日から原則3年以内に、相続登記を申請しなければならない。
■いつから?
◆ 2024年(令和6年)4月1日 から適用されています。
■罰則は?
正当な理由なく申請しなかった場合は、10万円以下の過料が科される可能性があります。
■対象になる人は?
- 相続で土地や建物を取得した人(法定相続・遺言・遺産分割問わず)
- 複数の相続人がいる場合は、各相続人ごとに申請義務があります
■過去の相続にも適用されるの?
はい、過去の相続も対象になります。
たとえば、昔の相続で名義変更がされていなかった場合でも、義務化の施行日(2024年4月1日)から3年以内に申請しないと、過料の対象になる可能性があります。
■簡略的な手続きもあります
登記申請が難しい方のために、簡易的な「相続人申告登記」制度もあります。
これは、「自分が相続人である」と法務局に申告するだけで、申請義務を果たしたことになります(ただし名義変更ではないので注意)。
■まとめ:
内容 | 詳細 |
---|---|
義務化開始日 | 2024年4月1日 |
申請期限 | 相続を知ってから3年以内 |
罰則 | 10万円以下の過料 |
対象 | 相続で不動産を取得した全ての人 |
対象範囲 | 施行前の相続にも適用あり |
◆**相続登記は、司法書士に依頼することが多く、手続きが煩雑な場合は、当社にご相談下さい。
相続税の基礎控除、配偶者特別控除について
2025/3/18作成
相続税の「基礎控除」と「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」について、わかりやすくご説明します。
■相続税の基礎控除とは?
相続税には「基礎控除」という制度があり、相続財産がこの金額以下であれば、相続税はかかりません。
■基礎控除の計算式:
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3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
例:
法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人の場合:
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3,000万円 +(600万円 × 3)= 4,800万円
→ 4,800万円までの遺産には相続税はかかりません。
■配偶者の税額軽減(配偶者控除)とは?
配偶者が相続する場合、特別に大きな控除(非課税枠)があります。これを「配偶者の税額軽減」といいます。
■非課税限度額:
配偶者が相続する財産については、以下のどちらか大きい方まで非課税になります。
- 1億6,000万円
- 配偶者の法定相続分までの金額
つまり、配偶者が多くの財産を相続しても、一定の範囲なら相続税がかからないという制度です。
■例:
配偶者と子ども1人が相続人 → 配偶者の法定相続分は 1/2
遺産が3億円の場合 → 配偶者が1億5,000万円を相続 → 非課税(法定相続分以下)
■注意点:
- 配偶者控除を受けるには相続税の申告が必要です(ゼロでも申告しないと控除は適用されません)。
- 配偶者控除があるとはいえ、将来的な二次相続(たとえば配偶者が亡くなった後の相続)を考慮することも大切です。
国税庁
「NO4158 配偶者の税額の軽減」 ご参照ください。
準確定申告を知っていますか
「準確定申告」についてわかりやすくご説明します。
■準確定申告とは?
「準確定申告(じゅんかくていしんこく)」とは、亡くなった人(被相続人)が生きていた期間の所得について行う確定申告のことです。
通常の確定申告は本人が行いますが、亡くなった場合には、相続人が代わりに行う必要があります。これが「準確定申告」です。
■なぜ必要なの?
亡くなった方が、亡くなる年の1月1日から死亡日までに得た収入(給与所得・年金・事業所得など)があった場合、それに対する所得税や住民税を正しく申告・納税する必要があります。
■誰がやるの?
準確定申告は、相続人全員の連名で行います。
ただし、相続人のうちの1人が代表して提出することも可能です。
■提出期限は?
被相続人が亡くなった日から 4か月以内 に、税務署に提出しなければなりません。
例:4月15日に亡くなった場合 → 8月15日が提出期限
■提出先は?
被相続人の住所地を管轄する税務署です。
■必要な書類:
- 準確定申告書(確定申告書の様式を使用)
- 被相続人の源泉徴収票や医療費控除の明細など
- 相続人の署名または「付表(相続人の一覧)」の提出
■申告が必要なケース例:
- 亡くなった方が給与所得者で、年末調整されていない
- 年金収入が400万円を超えていた
- 医療費控除や雑損控除を受ける予定だった
- 不動産や株の譲渡益があった
■注意点:
- 準確定申告によって還付金が出る場合もあります。過払いの税金は、相続人が受け取れます。
- 準確定申告とは別に、相続税の申告・納付(原則として死亡後10か月以内)も必要です。
配偶者居住権とは
「配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)」について、わかりやすくご説明します。
■配偶者居住権とは?
「配偶者居住権」とは、被相続人(亡くなった方)の配偶者が、亡くなるまで、または一定期間、無償でその住まいに住み続けられる権利です。
これは、2020年(令和2年)4月1日に施行された新しい制度で、高齢の配偶者の住まいを守るために導入されました。
■なぜ必要になったの?
これまでの制度では、住んでいた家も相続財産の一部として分割対象になるため、配偶者が「家を失う」リスクがありました。
特に、子どもとの遺産分割協議で不利な立場になることも…。
➡️ そこで「配偶者の住む権利」を独立して保護するために、この制度が導入されました。
■どんな権利なの?
権利の種類 | 内容 |
---|---|
居住権の性質 | 所有権とは別に設定される「使用権」 |
無償で住める | 家賃などは不要 |
第三者に売却不可 | 譲渡・売却はできない(保護目的のため) |
法的保護あり | 登記すれば第三者にも対抗可能 |
■取得の方法は?
配偶者居住権は、以下のどちらかで取得できます。
- 遺産分割協議で定める
- 遺言で指定されている場合
➡️ いずれの場合も、法務局で登記することで権利が保護されます。
■例で説明(簡単なケース)
夫が亡くなり、妻と子が相続人。
夫婦が住んでいた家の評価額は3,000万円。
【従来の方法】
妻が家を相続するなら、3,000万円分の他の財産が相続できなくなる(バランスが取りにくい)
【配偶者居住権を使った場合】
- 妻が「住む権利(配偶者居住権)」を取得 → 評価額はたとえば1,200万円
- 残りの1,800万円分の家の所有権は子どもに → 財産の分け方が柔軟になる
■メリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
高齢の配偶者の住まいを確保できる | 不動産の評価や分割が複雑になる |
財産の分け方が柔軟になる | 家を売って現金化しにくくなる |
■まとめ
- 2020年に施行された新しい制度
- 配偶者の「住まいを守る権利」として注目
- 相続人間のトラブル防止にも有効
- 遺言や遺産分割協議での事前の合意がポイント