斜線制限とは
1. 斜線制限とは
建物の高さを、一定の角度で制限する規定です。
周囲の日照・採光・通風を確保するために、建築基準法で定められています。
大きく分けて 3種類 あります。
2. 種類と内容
(1) 道路斜線制限
- すべての用途地域に適用
- 建物は、前面道路の反対側境界線から一定の角度で引かれた斜線内に収まる必要があります
- 基本は、道路中心線から1.25倍の高さまで(用途地域で係数や緩和あり)
- 例:幅員8mの道路 → 高さ制限は概ね10m(8m ÷ 2 × 1.25)
(2) 隣地斜線制限
- 住居系用途地域(第一種・第二種低層住居専用、第一種・第二種中高層住居専用など)に適用
- 隣地境界線から一定の角度で制限
- 開始高さは、第一種低層住居専用地域なら5m、中高層住居専用地域なら10mが一般的(自治体により異なる)
(3) 北側斜線制限
- 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域に適用
- 北側隣地の日照確保のため、北側境界線から一定の角度で制限
- 開始高さは5mまたは10m、角度は1.25倍または1.5倍など自治体で設定
3. 緩和や例外
- 防火地域・準防火地域で耐火建築物にする場合は緩和あり
- 角地や道路幅員が広い場合、制限が緩やかになることがある
- 地区計画や高度地区の指定がある場合は、その規定が優先
4. 実務上のポイント
- 建築設計時は、建物の断面図に斜線を描いて確認するのが基本
- 道路・隣地・北側の制限が同時にかかることもあるため、組み合わせの検討が重要