守秘義務
不動産の売買では、売却価格や契約内容、個人情報など、さまざまな情報が不動産会社に伝えられます。
そこで気になるのが、「家族なら、本人の取引内容を不動産会社に聞いても教えてもらえるか?」
という点です。
特に相続した不動産の売却などでは、兄弟姉妹や親族が関係することも多く、「同じ家族なのだから教えてもらえるはず」と思う方もいるかもしれません。
基本的には家族や親族であっても、本人の同意なく取引内容などを教えてもらうことはできません。
■ 家族や親族でも、本人とは別の人です
例えば、兄弟の一人が不動産を売却した場合、別の兄弟が不動産会社に、
「いくらで売ったのですか?」
「どのような条件で契約したのですか?」
「売却代金はいつ受け取ったのですか?」
と問い合わせても、不動産会社が自由に答えられるわけではありません。
不動産会社には、業務上知り得た情報を正当な理由なく第三者へ漏らしてはいけないという守秘義務があります。
そして、たとえ親子や兄弟姉妹などの親族であっても、本人とは別の人である以上、原則として勝手に情報を開示することはできません。
■ 「相続に関係しているから知る権利がある」とは限りません
特に注意したいのが、相続に関係する不動産です。
相続人同士であれば、他の相続人が行った取引について「自分にも知る権利がある」と感じることがあるかもしれません。
しかし、相続に関係しているというだけで、不動産会社が本人の取引情報を自由に開示できるわけではありません。
誰が不動産の所有者なのか、誰が契約当事者なのか、どのような権限や同意があるのかなど、個別の状況によって判断する必要があります。
■ 情報を確認したい場合はどうすればいい?
家族や親族の不動産取引について確認したいことがある場合は、まず取引をした本人に確認することが基本です。必要に応じて、本人から不動産会社へ「この人に説明してもよい」と同意してもらうなど、正式な手続きを取ることで対応できる場合もあります。相続や遺産分割などの権利関係が絡み、「自分に確認する権利があるのでは?」という場合には、不動産会社への問い合わせだけで解決しようとせず、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することも選択肢になります。
■ まとめ
不動産会社が家族や親族からの問い合わせに対して「お答えできません」と回答するのは、決して意地悪をしているわけではありません。
大切な個人情報や取引情報を守るために、守秘義務に基づいて対応しているためです。
「家族だから教えてもらえる」とは限らないことを知っておくと、相続や不動産売却の際にも余計なトラブルを避けやすくなります。
家族間で不動産について話し合う必要がある場合は、できるだけ当事者同士で情報を共有し、必要であれば不動産会社や専門家を交えながら進めていくことが大切です。







