夫婦の相続
お子様がいないご夫婦の相続については、「配偶者がすべて相続するわけではない」という点がとても大切です。
多くの方が誤解しやすい部分でもあります。
■詳しくは、相続や不動産に強い私たちの公式サイトでもわかりやすく解説しています。
◆お子様がいない場合の相続の基本ルール(法定相続)
被相続人(亡くなった方)に子どもがいない場合、相続の対象になる親族の順番は以下のようになります:
- 配偶者は常に相続人(割合は状況により異なる)
- 子どもがいなければ、「親(直系尊属)」が相続人に
- 親がすでに亡くなっていれば、「兄弟姉妹」が相続人に
◆ 例で見る相続パターン
■ケース1:配偶者と両親が相続人の場合
- 配偶者:3分の2
- 両親:3分の1(両親で分け合う)
■ケース2:配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合(親がすでに他界)
- 配偶者:4分の3
- 兄弟姉妹:4分の1(複数人で分け合う)
◆注意ポイント
- 遺言書がなければ、民法に基づいて分けることになります。
- 配偶者が安心して自宅に住み続けるためにも、遺言書の作成が強く推奨されます。
- 兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者と面識がなくても法的な権利が発生するため、トラブルの原因になることもあります。
◆対策としておすすめなのは?
- 公正証書遺言の作成
配偶者にすべてを遺したい場合など、明確に意思を残せます。 - 任意後見制度や死後事務委任契約の活用
将来の介護や葬儀、財産整理もサポートできます。
お子様がいないご夫婦の相続は、遺言があるかどうかで結果が大きく変わる可能性があります。
ほかにも知りたいケースがあれば、遠慮なくご相談ください。
連帯保証人
賃貸契約に関する保証制度、特に連帯保証人制度の見直しについて、説明します。
1.連帯保証人とは?
連帯保証人は、借主が賃料を支払わなかったり契約違反をした場合、借主と同じ責任を負う人です。債権者(この場合オーナーや管理会社)は、借主に請求せず直接連帯保証人に請求できるほど、責任が重い立場にあります。
2.制度の見直し(民法改正)について
2020年4月1日に施行された改正民法により、個人が連帯保証人になる場合、次のような制限が加わりました。
■ 極度額の設定が義務化
- 個人が連帯保証人になる場合、「極度額」(保証の限度額)を契約書に明記しなければ、その保証契約は無効になります。
- これにより、連帯保証人は無制限な責任を負わされるリスクが軽減されました。
3.極度額とは?
- 例えば、「極度額300万円」と明記されていれば、借主がいくら滞納しても、
連帯保証人に請求できるのは最大300万円までです。
- 家賃が月10万円であれば、30か月分(=2年半)までの滞納分が限度、
というイメージです。
4.滞納が何か月で連帯保証人に通知されるか?
これは契約内容や管理会社の運用によります。
一般的には:
- 1~2か月滞納時点で借主・連帯保証人に連絡が行くケースが多いです。
- 連帯保証人への通知義務は法律で明記されているわけではありませんが、適切なタイミングで通知することが求められています。
5.2か月以上の支払義務違反と契約解除
- 契約書に「2か月以上賃料を滞納した場合、契約解除できる」とあれば、貸主はその時点で契約解除できます。
- しかし、貸主が何か月も滞納状態を放置した場合でも、連帯保証人に極度額までの請求はできます。
6.空き家状態が続いていた場合は?
- 借主が退去せず、長期間家賃を滞納し続け、かつオーナーが対応しなかった場合でも、連帯保証人には極度額までの責任が生じる可能性があります。
- ただし、貸主の「損害拡大回避義務」に反する場合は、保証人の責任が軽減される可能性もあります。
まとめ
連帯保証人の責任 借主と同等。ただし極度額の範囲内。
極度額 契約時に必ず明記。上限のこと。
通知時期 多くは1~2か月の滞納で通知。
空き家が続いた場合 責任はあるが、貸主の対応状況によって減免可能性あり
地区計画
■地区計画とは?
- ●住民によるまちづくりルールの提案をもとに、市が都市計画として決定する制度です。
- ●建築物の用途、敷地面積の最低限度、壁面位置や建物高さなどの制限が条例で定められます。
- ●区域内で建築・工作物の着手前には、30日前までに市へ届出が必要です。
■地区計画の主な規制例
- ●御園二丁目地区
低層住宅主体の居住地域を対象とした地区計画です。
- 敷地面積の最低限度:90㎡
- 壁面の後退:境界線から0.5m以上
- 建築物の最高高さ:A地区10m以下/B地区12m以下
- 色彩についても景観配慮の指針があります。
- ●橋本駅南口地区
再開発区域として、商業・業務と住宅の高度利用を目指し、歩道状空地の整備や用途用途・意匠の制限があります。 - ●相模台通り地区
座間市と相模原市の境界近くにあり、商業集積の形成を目的とした規制を定めています。
※相模原市は、東林間駅前地区、田名塩田原地区、緑が丘地区、橋本駅南口地区、大野台3丁目地区、 橋本6丁目地区、相模台通り地区、古淵駅周辺地区、原当麻駅東口地区、南台4丁目地区、しおだ地区、リバティ大通り地区、氷川通り地区、橋本都市拠点地区、田名久所地区、 橋本3丁目地区、桜台地区などがあります。
航空法
航空法(こうくうほう)は、日本の空の安全を確保し、航空機の運航や空港の管理、航空従事者の資格などを定めた法律です。正式名称は「航空法(昭和27年法律第231号)」で、所管は国土交通省
航空法の目的
- 航空の安全確保
- 航空機の円滑な運航
- 人命・財産の保護
主な内容(ポイント別)
□ 航空機の定義と分類
- 航空機:人が乗って飛行できる装置(飛行機・ヘリコプターなど)
- 無人航空機(ドローン等):近年の改正で厳格に規制対象化
□ 飛行ルール(空域・高度)
- 最低安全高度
- 市街地:原則 300m以上
- 人家の少ない地域:原則 150m以上
- 制限空域
- 空港周辺、人口集中地区(DID)、自衛隊・米軍施設周辺 など
- 夜間・目視外飛行は原則禁止(許可制)
□ 空港・飛行場の規制
- 空港周辺の高さ制限
- 建築物・クレーン・広告塔などは制限対象
- 障害物の設置制限
- 建築計画時に航空法の確認が必要なケースあり(不動産実務で重要)
□ 航空従事者の資格
- 操縦士(パイロット)
- 航空整備士
- 航空管制官
→ 国家資格・免許制
□ 無人航空機(ドローン)規制(重要)
- 100g以上は航空法の対象
- 原則禁止行為:
- 人口集中地区(DID)上空
- 夜間飛行
- 人・建物から30m未満
- 催し場所上空
- 国交省の許可・承認が必要な場合あり
- ■不動産・建築実務との関係(実務上の注意)
- 空港周辺土地
- 建物高さ制限 → 収益性・建築計画に影響
- クレーン・看板
- 一時的でも届出・制限対象になることあり
- ドローン撮影
- 物件撮影でも無許可飛行は違法の可能性
- 空港周辺土地
□関連法令(セットで確認)
- 建築基準法(高さ制限・用途地域)
- 小型無人機等飛行禁止法(重要施設周辺)
- 電波法(無線通信)
- □各自治体条例規制
-
- 空港名を指定した高さ制限
- 相模原・町田・大和エリアでの具体適用
- ドローン撮影を合法に行う方法
相続税の基礎控除、配偶者特別控除
相続税の「基礎控除」と「配偶者の税額軽減(配偶者控除)」について、ご説明します。
■相続税の基礎控除とは?
相続税には「基礎控除」という制度があり、相続財産がこの金額以下であれば、
相続税はかかりません。
■基礎控除の計算式
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
<例>
法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人の場合
3,000万円 +(600万円 × 3)= 4,800万円
→ 4,800万円までの遺産には相続税はかかりません。
■配偶者の税額軽減(配偶者控除)とは?
配偶者が相続する場合、特別に大きな控除(非課税枠)があります。これを「配偶者の税額軽減」といいます。
■非課税限度額
配偶者が相続する財産については以下のどちらか大きい方まで非課税になります。
- 1億6,000万円
- 配偶者の法定相続分までの金額
つまり、配偶者が多くの財産を相続しても、一定の範囲なら相続税がかからないという制度です。
■例
配偶者と子ども1人が相続人 → 配偶者の法定相続分は 1/2
遺産が3億円の場合 → 配偶者が1億5,000万円を相続 → 非課税(法定相続分以下)
■注意点
- 配偶者控除を受けるには相続税の申告が必要です(ゼロでも申告しないと控除は適用されません)。
- 配偶者控除があるとはいえ、将来的な二次相続(たとえば配偶者が亡くなった後の相続)を考慮することも大切です。
国税庁
「NO4158 配偶者の税額の軽減」 ご参照ください。
空き家の3,000万円特別控除
「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」
(被相続人の居住用財産の特例)
相続した空き家を一定の条件で売却すると、
譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
□制度の目的
- 相続後に放置される空き家の増加防止
- 老朽化による倒壊リスクの回避
- 早期流通の促進
根拠法:空家等対策の推進に関する特別措置法
所管:国税庁 国土交通省
主な適用要件(売主側)
① 相続した住宅であること
- 被相続人が一人で居住していた
- 昭和56年5月31日以前建築(旧耐震)
② 相続後の状態
- 事業・賃貸に使用していない
- 空き家である
③ 売却条件
- 売却価格1億円以下
- 相続開始から3年以内の年末までに売却
- 確定申告が必要
耐震要件(改正後のポイント)
現在は 3つの方法 のいずれかでOKです。
□ ① 売主が耐震改修して売却
→ 現行耐震基準を満たす状態で引渡し
□② 売主が解体して更地で売却
→ 建物を除却
□ ③ 購入者が取得後に耐震改修
→ 売却時は旧耐震のままでも可
→ 購入者が取得後に耐震改修し、基準適合証明を取得
この③が制度改正で追加された重要ポイントです。
購入者側のポイント
購入者が耐震改修を行う場合:
- 売買契約で「買主が耐震改修を実施する」ことを明確化
- 改修完了後に耐震基準適合証明書を取得
- 売主の確定申告に必要な書類を用意
改修費用は購入者負担
売主はその証明をもって3,000万円控除適用
実務上の注意
- 証明書取得期限に注意
- 他のマイホーム3,000万円特例との併用不可
- 共有相続は相続人ごとに適用可(条件あり)
非公開会社再任登記と過料について
株式会社などの法人では、たとえ登記事項に変更がなくても、取締役などの任期が満了するたびに登記を行う必要があります。
特に、取締役の任期が10年(最長)とされている非公開会社(株式の譲渡制限がある会社)では、実質的に「同じ内容でも10年ごとに再任登記が必要」となります
✅ 理由と根拠
- 会社法上、取締役や監査役などの役員の任期が満了すると、「退任」とみなされ、登記が必要です。
- たとえ再任(同じ人物が再度就任)であっても、任期の更新=新たな就任と扱われ、登記しなければなりません
- ■この登記を怠ると、前述のように過料(最大100万円)の対象となります
■対応例
- 任期満了 → 株主総会で再任決議 → 議事録作成 → 2週間以内に登記申請
普通借家契約における解約時の注意点と合意解約書の重要性
普通借家契約における解約時の注意点と合意解約書の重要性
賃貸借契約の解約においては、貸主・借主いずれの都合であっても、後々のトラブルを防ぐための適切な対応が重要です。特に普通借家契約では、解約の進め方に一定のルールや実務上の注意点があります。
貸主都合による解約の場合
貸主からの解約は、単に「6ヶ月前に通知した」だけでは成立しないケースが多く、法律上は「正当事由」が求められます。この要件は非常に厳しく判断されるため、実務上は借主との協議による「合意解約」とするケースが一般的です。
その際に重要となるのが「賃貸借契約合意解約書」です。
書面を交わすことで、解約条件や退去時期などを明確にし、後の紛争を防ぐことができます。
借主都合による解約の場合
借主からの解約については、契約書に定められた解約予告期間(通常1ヶ月前など)を守れば、基本的には問題なく退去が可能です。
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です:
- 解約日の認識にズレがある
- 原状回復費用や敷金精算で意見が分かれる
- 短期解約違約金の有無が曖昧
こうしたトラブルを防ぐためにも、借主都合であっても「合意解約書」を作成しておくことが望ましいとされています。
合意解約書に記載すべき主な内容
実務上、以下の項目は最低限明記しておくべきです:
- 解約日および明渡し日
- 家賃の最終支払日
- 原状回復の範囲
- 敷金の精算方法
- 鍵の返却方法
- 双方の債権債務がないことの確認(清算条項)
音信不通などトラブル時の対応
相手方と連絡が取れない場合、一方的に解約を進めることは大きなリスクを伴います。
このような場合は、内容証明郵便などで正式な通知を行い、記録を残しながら慎重に対応することが重要です。
まとめ
賃貸借契約の解約においては、貸主・借主いずれの立場であっても、合意内容を明確に書面化することがトラブル防止の鍵となります。特に貸主都合の場合は必須に近く、借主都合であっても実務上は作成が強く推奨されます。
中古住宅購入時隣地境界
◆中古住宅の購入にあたっては、隣地との境界に関する法的規制にも十分注意が必要です。
◆民法においては建物の外壁や出窓等は原則として隣地境界線から50cm以上の距離を確保する必要があるため、既存建物がこれに抵触していないか事前に確認することが重要です。
◆建築基準法に基づく防火地域等においては、防火性能を満たす外壁とすることで、必ずしも50cmの距離を確保しなくても建築が認められる場合があります。したがって、対象不動産が所在する用途地域や防火指定の内容についても併せて確認することが重要です。
◆現況において境界距離が不足している場合や、将来的なトラブル防止の観点から、隣地所有者との間で現状を相互に確認し合い、越境や距離に関する合意内容を明確にした覚書を作成しておくことが望ましいです。
◆将来の売却時や建替え時にも円滑な手続きが可能となり、不要な紛争リスクを軽減することができます。
不動産業務における守秘義務と「親族からの問い合わせ」
不動産業務における守秘義務と「親族からの問い合わせ」への対応
不動産業務に携わっていると、守秘義務については日頃から強く意識されている方が多いと思います。
顧客情報や取引内容を第三者に漏らさないことは当然であり、実務の中でもしっかりと徹底されていることでしょう。
しかし実際の現場では、「第三者」への対応よりも難しい場面があります。
それが、親族や近しい関係者からの問い合わせです。
■ 親族でも「第三者」であるという原則
例えば、相続が絡んだ不動産取引において、兄弟の一人から「他の兄弟の売買金額を教えてほしい」といった問い合わせを受けることがあります。
このような場合、感情的には「家族なのだから教えてもいいのではないか」と思われがちですが、結論は明確です。
本人の同意がない限り、たとえ親族であっても情報を開示することはできません。
これは単なる社内ルールではなく、
宅地建物取引業法 に基づく守秘義務であり、法的な責任を伴うものです。
■ なぜ親族対応が難しいのか
親族からの問い合わせが難しい理由は主に以下の通りです。
- 「家族だから知る権利がある」という認識
- 相続や金銭が絡み、感情的になりやすい
- 担当者に対して心理的な圧力がかかる
そのため、単に「お答えできません」と伝えるだけでは、関係が悪化してしまうケースも少なくありません。
■ まとめ
不動産業務における守秘義務は、信頼の根幹を支える重要なルールです。
- 親族であっても原則は開示不可
- 本人の同意がある場合のみ例外的に対応可能
- 「法律・ルール」を軸にした説明が重要
- 感情面への配慮と情報保護の両立が求められる







