用途地域
■用途地域とは?
用途地域は全部で 13種類 に分かれています。大きく3つのグループに分類できます
① 【住居系】静かな住環境を守るエリア(全8種)
第一種低層住居専用地域 住宅のみ。高さ制限あり
第二種低層住居専用地域 小規模店舗・事務所OK
第一種中高層住居専用地域 中層住宅・小規模店舗OK
第二種中高層住居専用地域 中規模店舗や病院OK
第一種住居地域 中高層住宅・店舗併用OK
第二種住居地域 パチンコ店・カラオケOK
準住居地域 幹線道路沿い住宅・店舗
田園住居地域 農地+住宅の共存(新設)
② 【商業系】商売に適したエリア(全2種)
近隣商業地域 住宅+小中規模店舗が共存
商業地域 百貨店、映画館、飲食店など自由度高い
③ 【工業系】工場が建てられるエリア(全3種)
準工業地域 住宅も工場も建設可能
工業地域 工場中心。住宅や学校も可
工業専用地域 工場のみ。住宅はNG
■なぜ用途地域が重要?
- 近隣にパチンコ店や工場が建つのを防ぐ
- 学校や病院の周囲の静けさを守る
- 地価や資産価値に影響がある
- 建築基準(高さ制限、容積率など)が用途地域で異なる
家賃保証制度
日本の賃貸制度における「保証会社」について、以下のように詳しく、わかりやすく解説いたします。
◆ 日本の賃貸住宅における保証制度とは?
以前の日本では、賃貸契約時に「連帯保証人(家族や知人)」の署名・捺印が必須でした。
特に家賃滞納があった場合、この連帯保証人が責任を負う仕組みでした。
しかし現在では、「保証会社(家賃保証会社)」を利用するケースが一般的となっています。
◆ 保証会社の仕組み
- 借り主が保証会社に申し込みます(賃貸管理会社や不動産会社経由で行います)
- 保証会社が借り主の収入や職業、在留資格などを審査します
- 審査に通過すれば契約可能、連帯保証人が不要になる場合が多いです
- 万一の家賃滞納が発生しても、保証会社が家主に家賃を立て替えます
◆ 保証会社は後に、借り主に対して立替分の請求を行います。
◆ 外国人の方も借りられる?
はい、保証会社の審査に通れば、外国人の方でも日本で物件を借りることが可能です。
外国籍の方に対して審査で重視されるポイント:
- 在留資格の種類と期間
- 職業や収入の安定性
- 日本語での意思疎通能力
- 過去の滞納歴の有無
◆保証会社によっては、英語や中国語、ベトナム語など多言語対応をしているところもあります。
◆管理会社・オーナーの安心材料にも
賃貸管理会社は、借り主の家賃滞納リスクを減らすために保証会社を活用しています。
保証会社の承認があることで、貸し手側も安心して契約できます。
このように、「保証会社制度」は、借り主・貸し主の双方にとってメリットのある仕組みです。
他に気になる点があれば、何でもお気軽にご相談ください。
位置指定道路
■ 位置指定道路とは?
「位置指定道路(いちしていどうろ)」とは、建築基準法第42条1項5号に基づいて、建築基準法上の道路として特別に指定された私道のことをいいます。
簡単にいうと、家を建てるときに「接道義務(建物は原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない)」がありますが、そのために市区町村の許可を得て、私道を“公道のように”扱ってよいとする制度です。
■ 特徴
- 私道であるが、法律上の「道路」として扱われる
- 開発者(または土地所有者)が申請し、役所から「位置指定」を受ける
- 公道と同じく、建築確認がとれる道路として使える
- 道路の幅は原則4m以上必要(2項道路と同じ)
■ メリット・デメリット
メリット
- 公道に面していない土地でも、建築が可能になる
- 土地の開発自由度が高まる
デメリット
- 私道のため、維持管理(舗装・清掃・除雪など)は所有者や利用者の責任
- 通行トラブル(通行権の制限など)が起きる場合も
■ よくある注意点
- 売買時には「位置指定道路であるか」「持分があるか」を確認する必要があります
- 再建築や建て替え時に支障が出ることもあるため、事前確認が大切
以上が「位置指定道路」についての基本です。
孤独死
家族や他人に看取られることなく、一人きりで亡くなることを指します。
日本では高齢化や単身世帯の増加により、特に社会的な問題として注目されています
■ 孤独死の定義(一般的な意味)
法律上の明確な定義はありませんが、一般的には以下のように理解されています
- 一人暮らしの人が自宅などで死亡
- 死亡後、一定期間発見されない
- 誰にも看取られない状態での死
■ 孤独死が問題とされる理由
発見の遅れ 数日〜数週間気づかれず、腐敗や異臭などの問題が生じる
精神的な孤立 家族・近隣とのつながりが希薄で、助けを求められない
賃貸住宅での影響 オーナー側が事故物件となることを懸念し、家主・管理側に経済的負担が発生
社会的孤立 高齢者だけでなく、若年層でも増加傾向がある
■ 孤独死の背景
- 高齢化社会(特に「8050問題」など)
- 未婚化・晩婚化
- 地域のつながりの希薄化
- 経済的困窮や精神的疾患
- 仕事や人間関係からの疎外
■ 孤独死の予防策
見守りサービス 民間や自治体による高齢者の定期確認(訪問・センサー付き電球など)
地域とのつながり 町内会、サロン、ボランティアなど地域活動への参加促進
賃貸住宅での対策 孤独死保険(家主向け)、家族や保証人との連携
定期的な連絡の習慣 友人・親族とのLINE・電話など
■ 孤独死と不動産(参考)
孤独死が起きた住宅は「心理的瑕疵物件(事故物件)」とされる可能性があり、以下のような影響が出ます
- 賃料の低下
- 次の借主への告知義務(一定期間)
- 原状回復・特殊清掃費の発生
特殊建築物道路幅員
■1,000㎡以上の中古マンションの道路幅員は建築基準法の接道義務(幅員4M)だけでは建築できない場合があり、神奈川県条例で、既存不適格となる場合があります。
■神奈川県条例の解説(神奈川県県土整備局建築住宅部建築指導課) I-10より 引用
(大規模な建築物の敷地と道路との関係) 第4条 延べ面積が 1,000 平方メートルを超える建築物の敷地は、道路に6メートル以上接しなければならない。た だし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の建築物で知事が安全上支障がないと認めて 許可したものについては、この限りでない。
占有権
■ 占有権とは?
占有権とは、「物を事実上支配している人が持つ権利」のことです。
たとえば、土地や建物を実際に使用・管理している人が「占有者」となり、その状態を法律的に保護するための権利です
■ 占有権の特徴
- 登記や契約がなくても成立
→ 実際に使っていれば占有があるとされます。 - 所有権と異なる
→ 所有者でなくても、借りている人や不法占拠者でも「占有者」としての立場があります。 - 法律上の保護がある
→ 他人が勝手に物を奪ったり壊したりした場合、「占有者」として返還請求や損害賠償ができることがあります。
■ 占有の種類
自主占有 自分が所有者のつもりで占有している(例:買ったつもりで住んでいる)
他主占有 所有者が別にいて、その人の承諾で使っている(例:賃貸借)
■ 占有権に関連する法律効果
- 占有回収請求(民法198条)
→ 不法に奪われた場合、占有者はその物を取り戻す請求ができます。 - 時効取得の起点になる
→ 例えば、土地を20年間占有し続けると所有権を取得できる可能性があります(時効取得)。 - 善意・悪意の違いが影響
→ 占有者が「本当の所有者だと思っていた(善意)」かどうかで法的保護の範囲が変わります。
■ 具体例で理解
- Aさんが土地を借りて使っている → Aさんに占有権がある(他主占有)
- Bさんが誰の土地か知らずに住んでいる → Bさんに占有権があるが、所有権とは別
- Cさんが他人の物を勝手に持ち帰った → 不法占有だが、法律上の「占有者」として扱われることもある
■ まとめ
- 占有権は「実際に持っていること(事実上の支配)」に基づく権利
- 所有者でなくても認められる
- 法的保護がある(占有回収、時効取得など)
敷地高低差
「敷地の高低差」とは、土地の中での高さの違いや、隣地や道路との間にある高低差のことを指します。一見平坦に見える土地でも、実際には数十センチ~数メートルの差があることは珍しくありません。以下の点が特に重要です
■ 敷地の高低差があるときの主な注意点
① 基礎工事の影響
- 高低差があると、ベタ基礎・布基礎のどちらにしても、土留めや段差を吸収する構造が必要になります。
- 地面を削る(掘削)・盛る(盛土)作業が発生し、土工費が高額になる傾向があります。
- 極端な高低差では、擁壁(ようへき)と呼ばれるコンクリートの壁を設ける必要があり、これが数十万円〜数百万円の費用になることもあります。
② 外構工事(階段・スロープ・塀など)
- 玄関までの階段、スロープ、カースペースの勾配などを設計する必要があります。
- 車庫をつくる場合、道路より敷地が高いとコンクリートのスロープを設ける必要があり、これにも費用がかかります。敷地が低いと雨水の逆流防止なども検討しなければなりません。
③ 造成工事の必要性
- 高低差が大きい土地では、宅地として使うために造成工事(地盤整備)が必須になります。
- 特に古家付きの土地などでは、解体後に地形が明らかになることもあり、後から想定外の費用が発生するリスクもあります。
④ 近隣や道路との関係
- 隣地より高い場合:擁壁の安全性、越境、排水トラブルなどに注意が必要です。
- 道路より高い/低い:出入りのしやすさ(バリアフリー性)、見通しの悪さ、安全性にも関わります。
■ 敷地の高低差を確認する方法
現地確認 メジャーや水準器で簡易的に段差を測ることができます
高低差測量図(GL図) 販売図面や測量図に「±0」や「GL(グランドライン)」で記載されます
Google Earth 簡易的な標高確認が可能(ただし誤差あり)
地盤調査報告書 地盤と共に高低差も把握できる場合があります
残置物清掃
■ 残置物(ざんちぶつ)
前の住人や所有者が置いていった家具・家電・ゴミ・私物など、契約上は撤去すべきなのにそのまま残っている物のことを言います。
例:
-
ソファ、冷蔵庫、洗濯機
-
食器、衣類、本、日用品
-
ゴミ、不要な雑貨など
■ 清掃代・処分費用は誰が払うの?
● 原則として…
売買の場合 通常は売主負担(引き渡し時に空にして渡すのが一般的)
賃貸で退去時 通常は借主(退去者)負担
特別な契約がある場合 契約書に従う(例:「現状有姿で引き渡し」など)
■ 清掃代の相場
内容や量によりますが、目安として:
-
軽微な清掃:数千円~1万円程度
-
家具やゴミの撤去含む本格的な片付け:3万円~10万円程度
-
大量のゴミ屋敷や遺品整理レベル:10万円~30万円以上
※遺品整理業者や不用品回収業者に依頼すると、部屋の広さ・物の量・階数などによって変動します。
■注意点
-
賃貸の場合は「原状回復義務」の範囲に含まれることが多いですが、過剰な請求がされるケースもあるので注意(国交省のガイドラインも参考になります)
-
売買の場合で残置物が残っているまま引き渡しを受けると、その後の処分費用は買主が負担になる可能性あり(契約で明記するのが大事)
-
トラブル防止には事前確認が必須!
■契約書で明確にするのがポイント
「残置物は売主が撤去し、空の状態で引き渡すこと」
または
「現状有姿(げんじょうゆうし)で引き渡すため、残置物の処分は買主が行う」
などと明記しておけば、後のトラブルを防げます。
■もしすでに残置物がある状態で困っているなら…
-
写真を撮って記録を残す
-
契約書の記載内容を確認
-
貸主・売主・不動産会社にすぐ連絡
-
必要なら自治体の粗大ごみサービスや不用品回収業者に相談
道路幅員
「道路の幅員(ふくいん)」についてご説明します。これは土地や建物に関する手続き、不動産購入、建築許可などに深く関わるとても重要なポイントです
■幅員(ふくいん)とは?
「道路の幅のこと(=道幅)」です
正確には、道路の両端(境界線)間の水平距離のことを指します
■幅員の測り方
- 一般的には道路の境界線から反対側の境界線までの直線距離
- 歩道や側溝も含むのが基本(ただし例外あり)
◆たとえば…
歩道+車道+側溝の幅を合計して「幅員6m」と表すことが多いです
■なぜ幅員が重要なの?
主に以下の理由があります
建築基準法 建物を建てるためには「幅員4m以上の道路に2m以上接道」が原則(接道義務)
再建築の可否 幅員が足りないと、「再建築不可」になる土地もある
セットバック 幅員が4m未満の道路では、道路中心線から2mの位置まで土地を後退
(=セットバック)して建築しないといけない
防災・避難 幅員が狭いと、消防車や救急車が入れない危険もある
■幅員の基準と種類(建築基準法)
一般の公道(42条1項1号など) 幅員4m以上が原則
位置指定道路(42条1項5号) 幅員4m以上で、建築許可を受けた道路
既存道路(42条2項=2項道路) 幅員が4m未満でも、昔から使われている道路
(ただしセットバック要件あり)
■セットバックとは?
道路の幅員が4m未満の道路に接する敷地に建物を建てる場合、道路の中心線から2mの位置まで後退して建築する必要があります。
その後退部分は「道路としてみなされる」ため、建築や塀の設置はできません
■幅員を確認するには?
- 役所(市区町村の建築課や道路課)で確認可能
- 道路台帳や建築計画概要書でチェック
- 土地家屋調査士や不動産会社に依頼するのも安心
■注意点
- 登記簿には幅員は記載されていないため、現地調査や公的な資料での確認が必要です
- 古い住宅街では幅員が狭く、セットバックが必要なケースが多い
- 建築不可の土地もあるため、土地購入前には必ず確認!
地域包括支援センター
■ 地域包括支援センターとは?
◆ 概要
地域包括支援センターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように支援する公的機関です。各市区町村が設置し、社会福祉法人や医療法人などが受託して運営していることが多いです。
■対象者
- 主に65歳以上の高齢者
- そのご家族や介護者
- 近隣住民、地域の関係者など
✅ 主な役割・業務内容(大きく分けて4つ)
① 総合相談・支援
介護、福祉、医療、生活全般の悩みごとに対応。どんな相談でもOK
② 権利擁護
高齢者虐待、悪徳商法の被害防止、成年後見制度の案内など
③ 介護予防ケアマネジメント
要支援1・2の方に対して、介護予防プランを作成・支援
④ 地域づくり
高齢者が地域で孤立しないよう、見守りネットワークやボランティア活動の支援
■ 配置されている専門職
- 保健師・看護師:健康や医療の相談に対応
- 社会福祉士:福祉サービスや人権擁護の支援
- 主任ケアマネジャー:介護予防やケアプラン作成の専門家
この3職種が連携してチームで支援してくれます。
■ どこにあるの?
市区町村ごとに設置されており、地域を分担して担当。
「〇〇市 第3地域包括支援センター」のような名前で呼ばれています。
◆例:東京都世田谷区には25か所以上の包括支援センターがあります。
■利用方法
- 相談は無料
- 電話・窓口・訪問など柔軟に対応
- 予約不要のところも多いですが、事前連絡がスムーズです
■ よくある相談内容
- 一人暮らしの親が心配…
- 介護保険の申請ってどうやるの?
- 認知症かもしれないけど、どこに相談すればいい?
- ご近所の高齢者が心配…
- 介護疲れでつらい…
こんなとき、地域包括支援センターに相談すればOKです!
■まとめ
地域包括支援センターは、高齢者とその家族にとっての「地域の安心窓口」です。
介護が必要になる前から、気軽に相談できる存在として、ぜひ覚えておきましょう。
◆お近くのセンターを探すには、「〇〇市 地域包括支援センター」で検索してみてください。市役所の公式HPにも必ず情報があります。
参考:厚生労働省「地域包括支援センターについて」