リースバック
「リースバック」は、自宅を売却して現金化し、そのまま賃貸として住み続ける仕組みです。老後資金や債務整理などの選択肢として注目されていますが、メリットもあればリスクもあります。
■ リースバックとは?
あなたが所有する家を不動産会社などに売却し、
その後「賃貸契約を結んで住み続ける」方式です
■リースバックのメリット(大丈夫な点)
① 現金化できる 不動産を売却して、老後資金・借金返済・事業資金などに充てられる
② 引越し不要 売却後も自宅に住み続けられるので、家族や生活への影響が少ない
③ 老後の資金計画に使いやすい 年金生活などで資金が心配な方にとって選択肢になりうる
④ 将来的に買い戻しも可能 条件を満たせば、自分の家を再び買い戻せる場合もある
(契約内容による)
⚠️ 注意点(気をつけるべき点)
① 売却価格が市場より安いことが多い 通常の売却より 2〜3割安くなるケースも
② 賃料が割高になる場合も 長く住み続けると、家賃負担が重くなることが
③ 住み続けられる保証はない 賃貸契約なので、更新されなければ 退去の可能性も
④ 買い戻し価格が高めに設定されがち 元の価格より高額になるケースもあるため要注意
■ リースバックは「大丈夫かどうか」の判断基準
✔ こんな人には向いている
- 老後の資金確保が急務
- 転居せずに生活を続けたい
- すでに子供に家を相続する予定がない
❌ 向いていないかもしれない人
- 売却益を最大化したい(普通に売った方が高く売れます)
- 家を最終的に残したい(賃貸では家が他人の所有物になる)
- 長期的に同じ家に絶対に住みたい
■ まとめ:リースバックは「手段のひとつ」
リースバックは「危険な制度」ではありませんが、目的と条件をしっかり整理してから選ぶべきサービスです。
不動産会社や金融機関によって条件は大きく異なるので、複数社から見積もり・比較するのがとても大事です!
必要であれば、「無料でリースバック診断してくれるサービス」や「信頼できる会社の見つけ方」などもご案内できますよ?
参考:国土交通省「住宅リースバックに関するガイドライン」
不動産無料相談所
神奈川県宅地建物取引業協会 相模南支部では、不動産に関する無料相談を実施しています
■相模南支部 不動産無料相談所
- 開催日時:毎月第2火曜日(5月・8月および祝日を除く)13:30~15:30
- 相談時間:1人30分(15:30に面談終了)
- 場所:〒252-0303 神奈川県相模原市南区相模大野3-17-18 サンハイツ相模大野第2 401
- アクセス:小田急小田原線 相模大野駅北口より徒歩3分
- 予約方法:完全予約制。電話、FAX、またはEメールで予約が必要です。
- 電話:042-743-3276
- FAX:042-749-1965
- Eメール:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
- 受付時間:月~金 9:00~12:00、13:00~17:00(土日祝日・夏季・年末年始休暇を除く)
- ※相談日前日の17時が予約締切です
- ■相模原市役所での不動産無料相談
相模原市では、各区役所で不動産無料相談を実施しています。
中央区役所
- 開催日:第2金曜日・第4月曜日(祝日を除く)
- 時間:13:30~16:00(1人30分以内)
- 場所:中央区役所市民相談室
- 予約方法:当日の午前8時30分から電話で予約(先着順)
- 申込先:政策課 市民相談室 042-769-8230
南区役所
- 開催日:第1月曜日(祝日を除く)
- 時間:13:30~16:00(1人30分以内)
- 場所:南区役所市民相談室
- 予約方法:当日の午前8時30分から電話で予約(先着順)
- 申込先:政策課 市民相談室 042-749-2171
緑区役所
- 開催日:第3月曜日(祝日を除く)
- 時間:13:30~16:00(1人30分以内)
- 場所:緑区役所市民相談室
- 予約方法:当日の午前8時30分から電話で予約(先着順)
- 申込先:政策課 市民相談室 042-775-1773
不動産の売買、賃貸、相続、契約トラブルなど、さまざまな相談に対応しています。専門の相談員が対応しますので、お気軽にご利用ください
宅地建物取引業法第35条重要事項説明
宅地建物取引業法第35条および第35条の2の概要を説明します。
■宅地建物取引業法 第35条:重要事項の説明
目的:宅地や建物を売買・賃貸する契約の前に、買主や借主に対して「重要な事項」をきちんと説明する義務を定めています。
主なポイント:
- 宅地建物取引士が書面(重要事項説明書)を使って説明しなければならない。
- 主な説明事項には、以下のような内容が含まれます:
- 登記された権利関係(所有権・抵当権など)
- 法令による制限(都市計画法・建築基準法など)
- 私道の負担の有無
- 物件の概要(所在地、面積、構造など)
■宅地建物取引業法 第35条の2:環境確保に関する説明
目的:環境保全や住環境の安全に関する事項を取引前に明示する義務を追加しています。
主なポイント:
- 特定有害物質(土壌汚染、アスベストなど)の存在についての説明義務
- 周辺の生活環境(悪臭、騒音など)についての情報
- 自治体が定める条例などによる制限がある場合の説明
■補足
この2つの条文は、「取引の公正性」と「消費者の保護」を確保するために非常に重要な規定です。
特に第35条の説明は「重要事項説明」として、不動産業者の重要な義務とされています。
非公開会社再任登記と過料について
株式会社などの法人では、たとえ登記事項に変更がなくても、取締役などの任期が満了するたびに登記を行う必要があります。
特に、取締役の任期が10年(最長)とされている非公開会社(株式の譲渡制限がある会社)では、実質的に「同じ内容でも10年ごとに再任登記が必要」となります
✅ 理由と根拠
- 会社法上、取締役や監査役などの役員の任期が満了すると、「退任」とみなされ、登記が必要です。
- たとえ再任(同じ人物が再度就任)であっても、任期の更新=新たな就任と扱われ、登記しなければなりません
- ■この登記を怠ると、前述のように過料(最大100万円)の対象となります
■対応例
- 任期満了 → 株主総会で再任決議 → 議事録作成 → 2週間以内に登記申請
建築計画概要書と記載事項証明書
■建築計画概要書(けんちくけいかくがいようしょ)
概要:
建築確認申請時に提出された建物の計画内容が記載された書類です。建築主事(または指定確認検査機関)が確認した計画内容が記載されています。
主な記載内容:
- 建物の所在地・用途・構造・規模(階数・延床面積など)
- 建築主や設計者の名前
- 建築確認番号、確認日
- 防火地域や用途地域などの法的制限情報
用途:
- 不動産購入時の物件調査
- リフォーム・建て替えの際の法的確認資料として利用
■記載事項証明書(きさいじこうしょうめいしょ)
正しい取得先:
➡ 市区町村の建築指導課など(※地域により名称は異なる場合あり)
概要:
建築基準法に基づき、確認済証や検査済証の内容などを証明する書類です。建築確認の記録に基づいて交付されます。
主な記載内容:
- 建築主・設計者・工事施工者
- 建物の構造・階数・延床面積
- 建築確認済証の番号・発行日
- 建築地の用途地域や制限
用途:
- 不動産売買や建築計画の説明資料
- 建て替え・リフォームの参考
- 建築物の法的情報確認に利用
■記載事項証明書が作られた理由
✅ 1. 法的効力を持つ「証明書」としての必要性
- 建築計画概要書は「単なる写し」や「参考情報」であり、法的な証明力は限定的です。
- 一方、「記載事項証明書」は行政が発行する正式な「証明書」として、法律・行政手続きで使えるように設計されています。
✅ 2. 不動産取引や金融機関とのやり取りでの利用
- 売買契約やローン申請など、正式な証明書が求められる場面では、建築計画概要書では不十分です。
- そのため、建築確認の事実を公的に「証明」する書類として、記載事項証明書が必要になります。
✅ 3. トラブル防止の観点
- 建物の構造や面積、確認番号などを公的に証明することで、不動産取引におけるトラブル(虚偽申告・誤解)を防ぐことができます。
■ 結論:目的に応じた「使い分け」が大切
建築計画概要書 情報確認・参考資料として活用 △ 参考レベル
記載事項証明書 行政・金融手続きでの正式書類提 ◎ 公式証明書
遺産分割協議書
「遺産分割協議書」とは、亡くなった方(被相続人)の遺産を誰がどのように相続するかを相続人全員で話し合い、書面にまとめたものです。
■主なポイント
- 法的効力
遺産分割協議書は、相続登記や預金払い戻しなど、法的な手続きをする際に必要になります。 - 記載内容
- 被相続人の情報(氏名・死亡日)
- 相続人全員の氏名と住所
- 分割内容(どの財産を誰が相続するか)
- 相続人全員の署名・押印(実印)
- 印鑑証明書の添付
- 注意点
- 相続人全員の合意が必要(1人でも欠けると無効)
- 財産内容が不明確だと後にトラブルになることも
競売
■競売(けいばい)とは?
競売とは、主に債務者が借金を返済できない場合に、裁判所などの公的機関を通じて不動産や動産(物品など)を売却し、その売却代金で借金を回収する手続きのことを指します。一般の人も入札に参加できるのが特徴です。
■主な種類
- 不動産競売
- 借金の担保となっている家や土地などの不動産を裁判所が売却。
- 三点セット(物件明細書・評価書・現況調査報告書)を見て入札判断をします。
- 競売物件は通常の市場価格より安く買えることがあります。
- 動産競売
- 自動車、宝石、美術品などを売却。
- 主に地方裁判所が行います。
競売の流れ(不動産の場合)
- 債権者(金融機関など)が競売を申し立てる。
- 裁判所が物件を調査し、「三点セット」を作成。
- 期間入札が実施される(通常1〜2週間)。
- 最も高い金額で入札した人が落札。
- 売却代金を納付すると所有権が移転。
■メリットとデメリット
▲メリット
市場価格より安く購入できる可能性
不動産投資のチャンス
市場に出回らない物件も入手可能
▲デメリット
現況のまま引き渡し(瑕疵ありの場合も)
立ち退き交渉が必要な場合がある
内見ができないことが多い
景観法
景観法(けいかんほう)とは?
景観法は、地域の美しい景観や歴史的な町並みを守るために、建物や開発行為のルールを定める法律です。2004年に施行され、日本全国の市町村がそれぞれの景観に応じたルールを定めることができます
◆主な目的
- 地域の特性を生かした美しい景観の形成
- 住民が誇りを持てるまちづくり
- 観光資源としての景観の保護と活用
- 無秩序な開発の抑制
◆どのような内容?
地方自治体は「景観計画」を策定し、その中で以下のような規制が設けられます
建物の高さ 高さ10m以下に制限など
建物の色や外観 派手な色は禁止、和風に統一など
広告物の設置 看板の大きさや位置を制限
屋根の形や材 瓦屋根を推奨など
◆適用例
- 京都市:町家の外観保全、屋外広告の制限など
- 鎌倉市:歴史的建造物の周辺での建築制限
- 富良野市:北海道の自然景観に配慮した開発規制
違反したら?
景観法に基づく命令に違反すると、是正命令や罰則(罰金など)が科される場合があります
◆まとめ
景観法は、単なる「見た目」の問題ではなく、文化や地域のアイデンティティを守るための重要な法律です。不動産や建築に関わる場合、景観法の確認は非常に重要です。
特定都市河川浸水被害対策法
◆特定都市河川浸水被害対策法(とくていとしかせんしんすいひがいたいさくほう)
目的は?
都市部での集中豪雨や台風による浸水被害を防ぐため、特定の河川流域において総合的な水害対策を推進することを目的とした法律です。平成16年(2004年)に制定されました。
◆なぜ必要なの?
都市部はアスファルトやコンクリートで覆われているため、雨水が地中に浸透せず短時間で河川に流れ込みます。その結果、都市型水害(急激な浸水)が発生しやすくなります。
この法律は、それに対応するために制定されました。
◆主な内容
特定都市河川の指定 浸水被害が特に深刻な河川を国土交通大臣が指定
浸水被害対策基本方針 河川ごとに国が方針を策定(流域の治水を統合的に管理)
雨水貯留施設の設置 建築物に貯水タンクの設置を義務づける場合も
流域対策 流域全体で開発行為を規制(宅地開発など)
自治体・民間の連携 都市計画と連動した防災体制の強化
◆対象地域の例
- 東京都:神田川・目黒川など
- 大阪府:大和川流域
- 名古屋市:天白川流域 など
◆まとめ
この法律は、単なる河川工事だけでなく、流域全体の開発や建築物の設計も含めて水害対策を行うのが特徴です。近年の気候変動によるゲリラ豪雨対策としても、ますます重要性が高まっています。
隣地とのブロック塀(境界塀)の高さ制限
建築に関する隣地とのブロック塀(境界塀)の高さ制限は、安全性・防火・採光・通風など多くの要素に関係する重要な事項です。
隣地境界ブロック塀の高さ制限:基本ポイント
■ 建築基準法に基づく制限
- ブロック塀が「工作物」に該当する場合、高さ2.2m以下が原則です。
- 高さが2.2mを超える場合は「構造計算」や「控え壁の設置」が義務になります。
■高さ1.2m超のブロック塀には
- 控え壁(横方向の補強壁)を設ける必要があります。
控え壁の条件例(自治体により異なる):- 間隔:3.4m以内
- 長さ:塀の方向に垂直で30cm以上
自治体による条例やガイドラインも重要
自治体独自の安全基準が追加されている場合もあります。例えば:
- 京都市:文化的景観保護のため、高さ制限がさらに厳しい。
- 東京23区:住宅密集地ではブロック塀の使用自体を制限する例も。
■隣地との関係性(民法的視点)
- 民法第234条により、境界線から50㎝未満の場所に建築物を建てる場合は、隣人の同意が必要なケースがあります。
- ブロック塀が隣地の採光・通風を不当に妨げる場合は、民事トラブルになる可能性も。
まとめ:守るべき基準
法的高さ上限 原則2.2m以下
補強義務 1.2m超は控え壁など構造的補強が必要
材質規定 中空ブロックなどは使用制限あり
自治体規制 高さ・デザイン制限の条例あり
民法との関係 採光・通風・境界権侵害に配慮
◆トラブル防止のため、施工前に自治体に確認することが非常に重要です。







